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広島大学ダイバーシティ研究センター

D&I(ダイバーシティとインクルージョン)

調査研究

ダイバーシティとインクルージョンについて調査

 2022年3月に「ダイバーシティ&インクルージョンに関する人々の考え」について全国1000名を対象にモニター調査を行いました。
 今後、項目間の相関関係を分析して、さまざまな偏見間にどのような関連が見られるかを明らかにしていきます。今回は、調査の概要のみを共有し、調査の実施報告といたします。

*本報告書のデータおよび図表の無断利用・掲載はご遠慮下さい。

概要報告書

ダイバーシティと人間行動研究会

第1回研究会 2020年7月7日(火)13時~16時@オンライン

坂田桐子(広島大学・教授・協力教員)包摂性について
今城志保(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所・主幹研究員)心理的安全性について

広島大学の研究環境について調査

2019年3月18日から31日にかけて広島大学の教員を対象に、研究環境や研究意欲についての調査を実施しました。1572名を対象とし、回答率は40.59%でした。調査結果は学内情報システムを通じて本学教職員にフィードバックしました。CAPWR(ジェンダーの頁参照)の一環として実施しました。

セミナー・イベント

第2外国語での書籍出版についての研修を主催

第4回広島大学ダイバーシティ&インクルージョン推進機構セミナー「第2言語での書籍出版について事例から学んでみませんか」
2024年1月24日(水)14:00-16:00@ミライクリエ小会議室3 当センターおよびD&I推進機構マネージメント部門主催
 メキシコ自治大学バハカリフォルニア校教授のサルト氏を講師として招き、英文書籍の出版方法について学んだあと、「ダイバーシティ・インクルージョンとは何か」を議論しました。 本学の学部学生、大学院生のほか、メキシコの教員の方など6名が参加しました。

セミナーの様子

「大学での差別」についてのシンポジウムに登壇

多様な性の視点でつくる学校教育

広島大学シンポジウム「差別のないキャンパスを目指して」
2022 年 5 月 14 日@学士会館レセプションホール&Zoom 広島大学主催

概要
本学では、2021 年夏、所属する教員の SNS 投稿や授業に対して「特定の外国人に対する差別・偏見を助長しかねない」という指摘を受けたことから、学外の有識者を交えたメンバーによる「不適切なツイッター投稿等に関する検討会」を設置して多面的な議論を行ってきました。その成果も踏まえ、差別や偏見のないキャンパス・社会を実現するために何が必要なのか、構成員としてどのような意識を持つべきなのかを自ら考え、確認する機会とするために、本シンポジウムは企画されました。

チラシはこちら
実施報告書はこちら

Body Mappingプロジェクト

当センターでは、異なる人々が関係を構築するツールとしてBody Mappingを活用しています。
これまで、障がいのある人の自己表現、被爆者から高校生への記憶の継承などで実践をしてきました。

Body Mappingとは

畳1畳程度の画布に自分の身体の輪郭を型取って、そこに出来事や想いをマッピングするアート実践です。生きてきた過程で自分の身体がどのような影響を受けてきたかを、一枚の画布に図像化し、自分の生き様を捉えなおすことを目的とします。
2002年、南アフリカのケープタウンで、HIV(エイズを引き起こすウイルス)とともに生きる女性たちが13人集まって実施したのがはじまりです。現在では世界各地で、障がいのある人、女性、移民、セクシュアルマイノリティなどのあいだで実践されています。

外国人実習生の活動として実施

2024年3月9日(土)&16日(土)10:00-15:00 @TECS研修センター
介護職の実習生7名を対象にワークショップを実施しました。絵筆を持ったのははじめての人もいましたが、故郷の美しい風景、研修センターでの生活、将来の夢、つらかった思い出などを生き生きと表現しました。 マップはそれぞれの実習先で展示しました。

外国人実習生の活動
職場の研修として実施

2024年2月6日(火)10:00-15:00 @東千田キャンパス
外国人実習生を育成するTECS(協同組合技術者育成協力会)の職員の方を対象にワークショップを実施しました。 4名それぞれが自分のマップを仕上げた後は、マップを使って半生や考えを共有しました。個人の人生の棚卸しはもちろん、チームビルティングにも寄与することが確認できました。
「将来どうしようということはよく考えるが、過去を振り返ることはあまりしないのでよい機会になった」
「将来のビジョンがまだ明確でないことに気づいた」
「30年ぶりに絵筆を持ってとても楽しかった」
などの感想がありました。

職場研修
障がいのある人のアート活動として実施

社団法人HAPは、アートを使って障がいのある子どもの療育をする活動団体です。
当センターは2020年8月にHAPの利用者を対象にワークショップを行い、作品を「せこへい美術館2020」(8月8日-16日@旧日本銀行広島支店)で展示しました。
また、2021年には、HAPの職員と協力し、広島市心身障害者福祉センターの文化教室「わくわくアート教室」(7月17日と10月31日)でワークショップを実施しました。障がいのある子ども、そのきょうだい、親が協働して、家族で1枚のマップを制作しました。 作品は、「せこへい美術館2021」(8月17日~22日@旧日銀広島支店ビル)および上記センターの「2021文化祭」(12月4日~5日、主催は上記センター、広島市、広島市社会福祉事業団)で展示しました。

被爆体験の継承に応用

2020年以来、被爆者が若者と協働でボディマップを制作し、被爆体験の継承のツールとしてボディマッピングを応用するプロジェクトを実施しています。
通常のボディマッピングでは、自分のマップを自分で制作しますが、この取り組みでは、若者が被爆者の話を聞いて、色使いや配置を相談しつつ、協働で被爆者の人生をマッピングします。 出来上がったマップは、被爆体験を含むライフストーリー全体を表すものとなります。
本学平和センター、市民団体「世界の子どもの平和像(せこへい)をつくる会ヒロシマ」、高校生の団体「広島高校生平和ゼミナール」と協力しています。 作品は、「せこへい美術館」(せかいのこどものためのへいわ美術館)で展示しています。
※せこへい美術館は、平和と子どもをテーマにした美術展です。2002年以来「世界の子どもの平和像(せこへい)をつくる会ヒロシマ」が毎年8月に開催しています。

2023年
被爆者と若者が協働して、被爆者のボディマップを制作しました。
広島高校生平和ゼミナールの高校生は2名の被爆者とマップを制作しました。また、石内公民館が主催したワークショップでは、石内地区の中学生が6名の被爆者とマップを制作しました。
作品は「せこへい美術館2023」(8月11日~16日@広島県市民文化センター)で展示しました。

2022年
被爆者と高校生が協働して、6名の被爆者のボディマップを制作しました。
作品は「せこへい美術館2022」(7月26日~31日@広島県美術館 県民ギャラリー)で展示しました。
取り組みは新聞などでも取り上げられました。

中国新聞 (7月27日)
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=121576

毎日新聞(印刷紙面では7月30日)
https://mainichi.jp/articles/20220728/k00/00m/040/205000c

国際平和拠点ひろしま(広島県の取り組み、12月9日)
https://hiroshimaforpeace.com/representing-the-lives-of-the-hibakusha-high-school-students-and-hibakusha-create-body-mapping-art/

また、平和をテーマにした別の美術展「消えた町 記憶をたどり 森冨茂雄 鉛筆画の世界」(2022年9月17日~30日)でも、ボディマッピングの取り組みについてトークイベント(9月26日)で共有しました。

2021年
2020年に続いて、高校生がボディマップを制作しました。2021年にはグループでも制作し、平和のメッセージを発信しました。作品は「せこへい美術館2021」(8月17日~22日@旧日銀広島支店ビル)で展示しました。
せこへい美術館2021の様子(You Tube Body Mappingは2:19ごろから)

2020年
高校生がボディマップを制作し、平和のメッセージを発信しました。作品は「せこへい美術館2020」(8月8日~16日@旧日銀広島支店ビル)で展示しました。
せこへい美術館2020の様子(YouTube Body Mappingは1:20ごろから)

せこへい美術館2020
せこへい美術館2020
せこへい美術館2020

「平和」についてのセミナーに参加

第1回ひろしま平和研究イニシアティブ「広島大学人社系センター合同セミナー――各センターは何をしているのか、平和研究・活動にどう関わっているか」

2021年3月27日 13:00-16:00@Zoom

概要
「平和研究イニシアティブ」は、広島大学大学院人間社会科学研究科を起点とした、「広い意味での平和」に関連する研究を集積、喚起し、関連付け、創造していく活動です。「平和研究イニシアティブ」の取り組みの第一回は、広島大学にある人文社会科学系に関わる四つのセンターに、最近のそれぞれの取り組みを紹介していただき、これから広島大学の平和研究・活動にどう取り組んでいくか、また、どのように連携していくかについて話し合っていただきます。

発表者
川野 徳幸 広島大学平和センター長
大池真知子 広島大学ダイバーシティ研究センター長
草原 和博 広島大学教育ヴィジョン研究センター長
後藤 弘志 広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター長
コメンテーター
大芝 亮  広島市立大学広島平和研究所所長

チラシ

ダイバーシティをテーマとするアート展示に協力

「MIX UP広島 表現の自由展」(絵画、映像、写真の展示)

2020年3月24日(火)~29日(日)@ギャラリーG MIX UP広島実行委員会主催。
当センターが所蔵する、性の多様性をテーマとする漫画や絵本を「LGBTマンガbookカフェ」として展示
そのほかの展示:キュンチョメによる映像作品「声枯れるまで」および「わたしは世治」、美音異星人、藤高昇太(Planet of the Arts/惑星 在籍)、水ノ上茉優(太田川学園)、もみじ作業所

MIX UP 広島----表現の自由展
MIX UP 広島----表現の自由展
MIX UP 広島----表現の自由展
MIX UP 広島----表現の自由展

当初は、ダイバーシティをテーマに、パフォーマンス、セミナー、トークショー、映画など、さまざまな活動を組み合わせた参加型のイベント「MIX UP広島 マイノリティな6days」を予定していましが、COVID-19の流行により延期となりました。

※「MIX UP広島 マイノリティな6days」
3月24日(火)~29日(日)@ギャラリーGおよび隣接の公開空地@広島市中区
MIX UP広島実行委員会主催
センター長が実行委員として企画に参加。センターの所蔵する性の多様性をテーマとする漫画や絵本を「LGBT漫画bookカフェ」として展示。センター長が「エイズとともに生きるアフリカの女たち」を講演。
概要:LGBTや障害者などマイノリティの方を含めたすべての人が、それぞれの個性と多様性を尊重し、共に生きていこうという目的から実施する広島発のイベントとなります。ミックスアップとは、ごちゃまぜにするという英語「MIX UP」をもとにネーミング。それぞれが互いを理解し合い、幸せな人生を送ろうというもので、期間中は様々なイベントを誰もが楽しめる6日間となります。

ダイバーシティと行動経済学についてセミナーを主催

ダイバーシティ・セミナー「競争的報酬・懲罰制度の考察-目的、異質性、成長可能性の観点より」

2017年9月26日(火)16:00~17:00@広島大学総合科学研究科事務棟 3階第1会議室
当センター主催
上條良夫(高知工科大学・教授)

概要:なぜ社会秩序は懲罰システムによって維持されるのか。なぜ法遵守者を褒め称え、褒賞を与えるような仕組みではないのか。本研究は、経済学で構築されたコンテスト理論の枠組みを用いて、上記の問いかけに対して、古典的な「資源制約が故に」とは異なる解答を与える。懲罰制度を対となる報酬制度と比較することにより、望ましい制度は制度設計者の目的や構成員間の異質性に応じて変わりうることを理論的に明らかにする。本報告で説明される理論的考察は、2016年に Journal of Economic Behavior and Organization 誌に掲載された論文 "Rewards versus punishments in additive, weakest-link, and best-shot contests"に基づいたものである。報告の後半では、理論から得られた仮説を検証することを目的とした、現在実施中の実験研究の概要について説明する。

「信頼」についてのセミナーを共催

第367回IDEC セミナー「Who can you trust? Different forms of trust in society and their effects」

2017年5月25日(木)18:10~19:40@広島大学大学院国際協力研究科 1階大会議室
広島大学大学院国際協力研究科主催、本センター共催
Frens Kroeger(Coventry University 教授)
Trust is the "glue" that holds together societies and communities. But not all trust is the same – different forms have different effects. This public lecture will explore trust in society, and consider which forms of trust have contributed to the ongoing "trust crisis" which has affected particularly (but not only) Western.

分野横断でダイバーシティを考えるシンポジウムを共催

日本発達心理学会第28回大会一般公開シンポジウム「ダイバーシティを考える――研究と実践の可能性」

2017年3月27日 10:00-12:00@ JMSアステールプラザ@広島市中区
日本発達心理学会第28回大会委員会主催、本センター共催
坂田桐子(広島大学・教授・(当時)センター長)「組織・集団におけるダイバーシティを考える」
河口和也(広島修道大学・教授)「性的マイノリティとダイバーシティ―その実践可能性を模索する」
高松里(九州大学・准教授)「大学における文化的ダイバーシティ」
北梶陽子(広島大学・センター助教)「視点取得からダイバーシティを考える―Imagine-otherとImagine-self がもたらす帰結の違い」
報告書